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YouTubeの危険性と可能性

あるユーチューバーが自分自身のことを「Googleの下請け」と言っててつい笑ってしまいました。Google傘下のYouTubeから広告収入を得ているからですが、良く考えると笑いごとではない気もします。直接収入を得ていなくても、超巨大な親会社の利益になるように動いてしまっていることはないでしょうか?逆に、うまく付き合う方法はあるのでしょうか?

最初に断っておきますが、私もYouTubeを見ますし自分の演奏動画もYouTubeにアップしています。

 

ただ、自分の希望を実現するツールとして使うのはなく、必要以上にのめり込んでしまう危険を感じているので、自戒の念も込めて記事にしている次第です。

YouTubeの危険性

 

ついついダラダラ見てしまうYouTube、娯楽としてだけでなく様々な解説動画などもありますが、見た後に残るものが少なく感じることがあります。

 

これは、できるだけ多くの再生回数と再生時間をかせぐために出来たYouTubeの仕組みに、原因がある気がします。

 

 

 

まず動画を再生してもらうために「~の真実!」とか「~してみたら凄いことになった!」などのタイトルやサムネイルで視聴者の興味をひきます。

 

動画が再生されると、ゆっくり順序立てた説明かつ結論がなかなか出てこないような構成で、なるべく長い時間再生されるようになっています。

 

もちろん良い内容の動画もたくさんあるのですが、同じ内容を文字で読んだら数分で納得できる内容が、20分くらいに引き伸ばされいることも多いです。

 

もし動画の内容に飽きても、同じジャンルの他のおすすめ動画が次々表示されるので、ついついYouTube上に留まる時間が長くなります。

 

 

 

逆に、自身の演奏動画などをYouTubeにアップするクリエイター側であっても、なるべくたくさん見てもらいたいし、可能なら収益を得たいので、YouTubeの仕組みにそって行動してしまいます。

 

例えば、納得のいくソロギターのアレンジはすぐに出来るものではありませんが、動画を投稿する頻度が高い方が再生される可能性が上がるようになっているため、無理して動画をアップしがちになります。

 

 

 

また、世間で人気のある曲が多く再生されるため、有名曲の弾いてみた動画やカバーバージョンが数多く出回ります。

 

よほどの有名人や完成度でないと再生されないオリジナル曲は作られなくなり、流行りそうな曲をなるべく早く弾けるようになってアップするという活動サイクルになっていきます。

 

それはそれで視聴者を増やすのに必要なプロセスなのかもしれませんが、YouTube以外での音楽活動と比べてかなり偏りがあるように感じます。

YouTubeの可能性

 

YouTubeのおかげで、昔は想像するしかなかった演奏の様子が見れたり、貴重な音源が聴けたりするようになりました。

 

単に鑑賞するだけでなく、ピッキングフォームを研究したり、どんなギターが使われているか調べてみたりすることもできます。

 

もちろん違法なアップロードも多くまぎれているので、取り締まりの強化を求めるとともに自分から見ないように注意したい所です。

 

 

 

奏法解説や音楽理論の解説動画もかなり充実しているので、自分に必要なことが明確に分かっている場合はかなり有益です。

 

逆にどうして良いか分からないときは、身近にいる上手な人やギター教室でアドバイスを受けた方が良いかもしれません。

 

闇雲に動画を見ているだけでもついつい上達した気になってしまうので、頭でっかちなギタリストになってしまう可能性があります。

 

 

 

意外と便利なのが、スタンダード曲などのカラオケ音源動画です。

 

バンドの曲を個人練習するのに、これまでやりがちだったCD音源に合わせる方法や、メトロノームの音で練習するという方法ではなく、本番に近いマイナスワンの形で練習することができます。

 

同じ曲でもYouTubeの機能で再生スピードを変えることができますし、アレンジが異なる複数の動画がアップされていることがあるので、バンド演奏の「揺れ」も体感しながら練習できます。

 

 

 

動画を投稿する側としては、YouTubeは演奏を聴いてもらうハードルをかなり下げてくれたと思います。

 

音源を作って配らなくても、ライブにお客さんを呼ばなくても、作った動画をアップするだけで世界中の人に聴いてもらえる可能性が生まれます。

 

私もYouTubeに演奏動画やタブ譜をアップしていますが、少しでも見てもらえると何かを残せている感覚があり、うれしいです(チャンネル「ワンマンギター」はこちらです)。

 

 

 

SNS的な繋がりができることもあります。

 

動画を見てコメントをくれた方のチャンネルを逆に見に行くこともありますし、動画から繋がって実際にギターレッスンに来てくださった方もおられます。

 

目の前でいちいちギターを弾かなくてもYouTube上の演奏動画は見てもらえるので、自己紹介ツールにもなります。

 

 

 

新型コロナウイルスの影響でライブ演奏の機会が減っている現在、YouTubeは貴重な発表の場の1つでもあります。

 

自分の楽しみとしてだけ演奏するのも良いですが、聴いてもらえる機会があると、曲をコピーするのも、作るのも、アレンジするのも、練習するのも、モチベーションが違ってきます。

 

最低限スマホがあれば見るのも撮るのもできてしまうので、自分を見失わない程度に活用してみてはいかがでしょうか?

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