演奏中のギタリストの写真って、目を閉じていることが多くないですか?手元が見えなくなるのにわざわざ目をつぶって弾くのには何か理由があるはずです。今回はその辺りを探ってみようと思います。
目を閉じるメリット
結論から言ってしまうと、余計な情報を遮断して音に集中できることが目を閉じて弾く最大のメリットだと思います。
人間の五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の中で最も多くの情報が得られる視覚を逆にさえぎることによって、他の感覚にリソースを集中させることができます。
試しに音楽を聴くときに目を閉じてみて下さい。
今まで気付かなかった音が聴こえたり、音楽の細かいニュアンスが聴き取れたり、目を開けている時とは結構世界が変わると思います。
今回のブログを書くにあたって最初に思い出したのが、本で見たある学者さんの話です。
その方は視力が悪く普段から眼鏡をしているのですが、集中したい時にはわざと眼鏡を外すそうです。
周りの景色がぼやけて細かい情報が入らなくなり、考えることにより意識を向けることができるんですね。
私の場合は(汚いですが)風邪気味で鼻がつまり気味の時に、似たような状況になることがあります。
この場合は嗅覚がなくなった分聴覚や触覚がよく働き、普段より良いプレイができる瞬間がある感じです。
かと言って洗濯バサミで鼻をつまんで弾くわけにもいきませんし、呼吸が大変で余計に頭がまわらないこともあるので、普段からやるようなことではないのですが・・。
とにかく視覚の遮断は嗅覚のそれよりも有用ですね!
ただデメリットがゼロではないので、これについては後述したいと思います。
他にも目を閉じるメリットはあります。
例えば演奏フォームが良くなることです。
目を開けてギターを弾いていると、指板を凝視するあまりフォームが崩れてしまうことがあります。
また、ライブ本番などでは人目を気にして無理な姿勢で弾いてしまうこともあります。
目を閉じたらそのようなことがなくなり、自然なフォームで演奏することができますね。
後は細かいことですが、手元が見えない状況でも弾けるようになることが挙げられます。
特にバンドでライブハウスに出演する時のあるあるなのですが、照明が激しく点滅したり、暗転状態が長く続いて手元が見えなくなることがあります。
部屋を暗くして練習する人はたぶんいないので、本番でいきなり見えない状況を体験してしまいパニックになることも・・。
普段から目を閉じて弾いていたら、そんな状況でも慌てずプレイできそうです。
目を閉じるデメリット
目を閉じるデメリットとしては、当たり前ですが手元が見えなくなることですね。
特に左手で横方向に正確にポジション移動するのが難しくなります。
もちろん左手を一切見ず弾けるなら良いですが(私には出来ません・・)、それよりも目を閉じるタイミングを見計らう方が現実的だと思います。
普段の練習にその辺りもプラスできたら良いですね。
これも当然ですが、楽譜を見ながら演奏するのが難しいこともデメリットです。
だいたい暗譜していて確認で少し見るくらいなら目を閉じることもできそうですが、がっつり楽譜を見ながら演奏する状況であったり、日頃から楽譜を見るスタイルの人は厳しいですね。。
「楽譜を見る」「手元を見る」「目を閉じる」この3つを併用するのはかなり難しそうです。
目を閉じていると稀に一人の世界に入っていると揶揄されることがあります。
カッコつけてると思われることもありますし、人によっては面と向かってるのにスマホをいじられているような独りよがりな感じに受け取る場合もあります。
個人的には別に良いんじゃないかと思うんですが・・。
気になるならサングラスでもかけましょうか!(余計にカッコつけてると思われる?)
そういえばギタリストのジョー・サトリアーニは「目を閉じているのを見られるが恥ずかしいから」サングラスをしていると聞いたことがあります。
サングラスをしたら目を開けていても色の情報が少し落ち着くので、その点でも良いかもしれませんね。
見た目のトレードマークになるのも面白い所です。
蛇足
このブログを書いていて思い出したんですが、何人かで集まって1人ずつソロギターを披露するようなイベントに参加した時のこと・・私が演奏している時にあからさまに他の出演者が席で目を閉じて寝ていたことがありました。
目の覚めるような演奏ができない方も悪いですし、その人がお客さんとして来ているならまだ分かりますが・・自分も同じ出演者なのにどうなの?と思った記憶があります。
今後同じことがあったら、その人は目を閉じて純粋に音を聴いてくれてるんだなと思うことにします!
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