楽器をやっていると、どうしてもその楽器が入っている音楽を聴いてしまいがちです。それはそれで良いのですが、楽器に囚われずに様々な音楽を聴くことも、また大事だと思います。今回は、自分がまだ知らない音楽を探すきっかけとして使える「音楽の地図」をご紹介します。
さっそくですが、「音楽の地図」は「Music Map」というWEBサイトです。
YouTubeチャンネルの「みのミュージック」でも紹介されていたので、ご存知の方もいるかもしれません。
上の動画で大事なことはすべて語られている気がしますが、さっさと要点だけ知りたい!という方のために、数分で読めるようにまとめておきます。
Music Mapの概要
円で示されたFOLKなどの伝統的な音楽の下に、ポピュラー音楽が大きくジャンル分けされています。
ここで、近い距離にあるものは関連性の強いジャンルであることを示しています。
また、左右で途切れているように見えますが実際は立体的なイメージで、端にあるINDUSTRIALで一周するようになっています。
先ほどの画面を拡大すると、より細かいサブジャンルが表れます。
縦方向は大まかな年代を表しており、上に行くほど歴史をさかのぼることになります。
サブジャンルは3種類の線で結ばれています。
各線の意味は次の通りです。
実線:影響の強いジャンル同士(例えばPUNK ROCKとHARD ROCK)
点線:二次的な影響があるジャンル同士(例えばPUNK ROCKとNWOBHM)
二点鎖線:反発するジャンル同士(例えばPUNK ROCKとGLAM ROCK)
まるで、音楽に詳しい人の頭の中を可視化したような感じですね。
各サブジャンルをクリックすると、説明画面が表示されます。
説明は英語ですが、今はDeepLなどの翻訳サイトが高機能なので、詳しく知りたい方はご利用下さい。
特筆すべきは、選んだジャンルを代表する曲を集めたプレイリストが用意されていることです。
下の方にあるPLAYLISTやYouTube、Spotifyの部分をクリックすると、実際に曲を聴くことができます(Spotifyの方は私は利用していないので試せてません)。
YouTubeだと無料で聴けますが動画の形式になるので、通信料金(ギガの残量)にはお気を付け下さい。
Music Mapの使い方と雑感
ここからは、Music Mapを利用してみて感じたことや、効果的な使い方をつらつらと書いていきたいと思います。
他のブログと共に、ぜひMusic Mapのプレイリストを聴きながらご覧下さい(宣伝失礼しました)。
私自身、ギター名盤を優先して聴きがちなものの、それなりに様々なジャンルの音楽を聴いてきたつもりでした。
しかし初めてMusic Mapを見た時には、知らない音楽ジャンルが多いことに愕然としました。
逆に考えると、まだまだ未体験の音楽が残っているということなので、それはそれで良いんですが・・。
とはいえこれだけ広大だと、どこから手を付けるべきか迷ってしまいますね。
色々な使い方があると思いますが、とりあえずは自分が良く知っているジャンルからスタートするのが良さそうです。
そのジャンルに詳しいと思っていても、説明やプレイリストを見ると、意外と知らないことがあったりします。
そこから過去に行ってルーツを探ったり、逆に現在までどのように変化していったかを見ていくと頭の中が整理しやすいのではないでしょうか。
後は、名前だけ知っているけれど聴いたことのないジャンルに飛ぶのも面白そうです。
実際に聴いてみると、イメージしていたのと違ったり、意外とイケるな・・となったり、色々と発見があります。
ジャケ買いのように、何も知らないけれど名前だけで選んで聴いてみる、なんていうのも無料なので気軽にできますね。
そうやっている内に、新たにお気に入りジャンルやバンド、アーティストなども見つかりそうです。
今回Music Mapをご紹介したのは、経験則的に様々な音楽を聴いている人の方が、楽器の演奏だけでなく人柄としても懐が深いことが多い気がしていたから、というのもあります。
1つのことに拘ってひたすら追求するは凄いことですが、何か危うさもはらんでいるような感じもしないでしょうか。
ちょっと大げさな話ですが、生物の遺伝的な面(雑種の犬の方が寿命が長い)とか、食事の栄養面(バランスが悪いと体の調子が悪くなりやすい)など、様々な所で同じようなことが言えるのでは?と勝手に考えていました。
そんな中でこのMusic Mapに出会ったので衝撃を受け、微力ながら少しでも拡散しようと思った次第です。
このサイトの左側からintroduction(序論)が閲覧できるのですが、そこには製作者の思いが色々と書かれています。
その中に、Music Mapを運用している目的の1つとして「特定の音楽ジャンルを軽視したり敵視したりしないリスナーになってもらうため」と書かれていました(訳のニュアンスが違っていたらすみません)。
確かに、雰囲気やイメージだけで特定の音楽ジャンル(もしくはミュージシャン)を嫌う人をたまに見ます。
どう考えようがその人の自由ですが、よく知らないのにも関わらずそれをさげすむ行為は、ただ楽をして自分が優位に立とうとしているだけの行動とも捉えられます。
Music Mapの中では反発するジャンル(二点鎖線)がありましたが、これは従来のジャンルのアンチテーゼとして新たな音楽が作り出されたということなので、同じ反発でもスタンスが全然異なると思います。
せっかく面白いサイトを紹介しているのに、何か説教じみた感じになってしまいました・・。
私の書いたことはまあ適当に聞き流して頂いて、ぜひ一度Music Mapを使ってみて下さい。
きっと経験したことのないような、音楽世界の探検があなたを待っています!
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