
初めて弾いたギターを覚えているでしょうか?人生初のギターは例え優れた銘器でなくても、忘れられないものがあると思います。私が初めて弾いたギターは結構面白い特徴があったので、今回ブログでご紹介したいと思います。誰が興味あんねんって感じですが、皆さんの初めてのギターの思い出と共に気楽に読んで頂ければ幸いです。
今はスティール弦のアコギを弾くことが多いのですが、初めて弾いたギターはクラシックギターでした。
家の物置に眠っているのを引っ張り出してきたんですが、おそらく親か親戚が買ったものの弾かなくなって、しまわれていたものです。
写真がそのギターの現在の状態です。

弦が切れている上にホコリだらけで、手入れをしていないのがバレバレですね。。
しかし、弾かなくなってから25年くらい裸で放置していたにも関わらず、大きな変形などがないのは凄いです。
このギター、黄色に見えますが実は昔(1970年代?)に流行ったらしい白いギターです。
私が初めて弾いた時(1990年代)には既に写真のように黄ばんだ状態だったので、本当に白かったのかは謎ですが・・。
そういえばグレッチのホワイトファルコンなんかは、古いモノでもあまり変色していないイメージがあります。
廉価版の白いギターは全然違う方法で塗装されてたんでしょうね。
サウンドホールを除いたら、「水野」というメーカーであることが分かります。

第W45号と、一応シリアルナンバーみたいな番号も振られていました。
Wは白いギターを示すWhiteでしょうか?
少し調べましたが、株式会社水野楽器製作所は残念ながらもう存在しないようです。
このギターで覚えていることと言えば、やたら弦高が高かったことです。

12フレット上で1cmとまではいきませんが、優に5mm以上あります。
弦高が高いのは長期間放置していたからではなく、初めて弾いた時からこれくらいありました。
誰かがギターを倒してしまったのかで破損した後があるので、それが原因かもしれません。

割れたヘッドを(ネジで無理やり)直した痕跡も、ギターが倒れる事故があったことを物語っています。

弦高激高のこの白いギターもとい黄色いギターですが、初めてのギターならではの工夫の後が残っています。
その1つがボディに引かれた線です。

これはピッキングする右手のフォームについて、理想的な角度を維持できるように視覚化したものです。
今見たら弦に対してもう少し角度がついていても良い気がしますが、ギターをやり始めた頃なりに考えて引いたんでしょう・・。
最初からあまり状態の良くないギターだからこそできた芸当です。
もう1つの工夫が、ハイポジションに貼られたシールです。

初めてのギター、しかもカッタウェイのないクラシックギターで、こんなハイポジションを弾きこなしていた訳ではありません・・。
これは人工ハーモニクスで弾く時に分かりやすいように貼っていました。
例えば2弦3フレットを押えて半分の弦長の位置で人工ハーモニクスを弾く時、15フレットの丁度真上に触れますが、写真の一番上のシールを目印にできるという訳です(写真では何フレットか分かりづらいですが、クラシックギターは12フレットでボディと接合されるのがヒントになります)。
このギターはおそらく1年か2年くらい弾いていたと思います。
ボディの裏板と側板の接合部の角が取れてきているので、まあまあ頑張って練習していたのではないでしょうか。

ギターの扱いが雑だったり、ギターの材質の問題もあるかもしれませんが・・。
結果的にはこのギターの弦高の高さとクラシックギターならではの幅の広い指板が、大リーグボール養成ギプスのように働いた気もします。
後に購入した2本目のギター(普通のアコースティックギター)が、半端ない弾きやすさに感じたので・・。
まあ最初からアコギを弾いていた方が近道だった気もしますが、現在までずっとギターを弾き続けるきっかけになったこの黄色いギターは、やはり特別な1本です。
こんなギターでも人の人生を左右するような力があるので、何はともあれ弾いてみないと分からないのが楽器だと思います。
まだギターを持っていない人はもちろんですが、エレキに挑戦したいけれどシールドなど付属品が多くて二の足を踏んでいる人、逆にアコギでフィンガーピッキングをやってみたいけれど難しそうで躊躇している人などは、とにかくトライしてみると良いのではないでしょうか!
例えうまくいかなくても、その経験はきっと後の人生にプラスに働いてくれるはずです。
偉そうなことを言いながら、私自身はまともなガットギターを未所持なので買うべきかどうか悩んでいるんですが・・。