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たかがC されどC オープンコードCのバリエーション

聴く人の心を動かすようなギタリストのプレイを分析すると、そんなことまで考えて弾いているのか!という細かいこだわりを発見して驚くことがあります。それは複雑なソロフレーズだけでなく、シンプルなバッキングでも然りです。今回はギターを弾く人にとっておなじみのオープンコードのCについて深掘りし、状況に応じた最良のCを弾けるように突き詰めてみたいと思います。

はじめに

 

オープンコードのCと言えども、プラスアルファで音を加えるとバリエーションは際限なく考えられますし、Cコードの役割が変わってくることもあります。

 

そこで、今回はCメジャーコードの構成音C E Gのみを使用し、さらにCメジャーキー(ハ長調)のトニック(主和音)としての機能を持つ場合に絞って考えます。

 

これはかなりの縛りプレイのように感じますが、それでも有用なコードフォームが多数残っています。

 

 

 

また、コードフォーム単体だけでは、どういった状況で使えるかが分かりにくいと思います。

 

そこで、各コードフォームに対して簡単な譜例とタブ譜を用意しました。

 

実際に使う際のイメージを膨らませるのにご利用下さい。

 

それでは、オープンコードCの奥深き世界に参りましょう!

① 基本形

 

まずは基本形のCをおさらいしておきたいと思います。

 

このコードフォームです。

 

一応譜例を挙げておきます。

 

シンプルな8ビートのストロークパターンです。

 

(6弦のミュートや3拍目の空ピックが意外と難しかったりするのですが、話がそれるのでここでは割愛します)

 

 

 

とにかく、Cといえばこれ!というコードフォームです。

 

体感では、オープンコードのCを弾く時は、95%以上この形を使っています。

 

これだけ覚えたらほとんどマスターしたようなものですね・・。

 

 

 

次からは、残りの5%の状況で役立つコードフォームを見ていきます。

 

数字としては小さく感じますが、引き出しが1つか複数かでは表現力が大きく変わってくるはずです!

② 1弦つぶし

 

続いてはこちらです。

 

さっきとどこが違うの?って感じですが、よく見ると1弦が×になっています。

 

右手で1弦を弾かないようにしても良いですが、左手の人差し指の腹で1弦に触れてミュートしてあげるのが確実です。

 

 

 

このコードフォームの効果は、次の譜例を弾いてもらえると実感できると思います。

 

曲のエンディングをイメージしたフレーズで、最後に今回の押え方が出てきます。

 

ここを最初に紹介した基本形のコードフォーム(1弦の開放弦を鳴らす)に変えてみると・・悪くはありませんが何となく締まらない響きに感じないでしょうか。

 

 

 

これは、ルートのC音で終わると思ったフレーズが、ハモリっぽいE音で終わってしまうためだと思われます。

 

1弦のEを鳴らす選択肢ももちろんありますが、鳴らさないコードフォームも考慮した上で選ぶのがベターではないでしょうか。

③ 低音マシマシ

 

基本形のCに、6弦3フレットのG音をプラスすることも考えられます。

 

ここで、6弦3フレットは薬指、5弦3フレットは小指で押弦します。

 

オープンコードのCを常にこのフォームで押える派の人もいますね。

 

 

 

厳密にはC/G(シーオンジー)と表記すべきかもしれませんが、オンGをあまり意識しないで使うことも可能です。

 

譜例はクラシック風のエンディングフレーズです。

 

弦を4本ずつ弾いていますが、賑やかにできれば良いので正確に弾かなくても大丈夫です。

 

いちいちCとC/Gが入れ替わるというよりは、Cの塊がいくつも飛んでくるような感じに聴こえないでしょうか。

 

少し話が戻ってしまいますが、最後の音は1弦を弾かない選択肢もありますね。

④ 低音動かし

 

先程は5弦と6弦の両方を使っていましたが、6弦だけ押弦するパターンもあります

 

基本形のCで5弦3フレットを担当していた薬指を、6弦3フレットに移動して押さえます。

 

 

 

例えばこんな感じのバッキングパターンが作れます。

 

左手の薬指を5弦と6弦で移動させる時に、良い具合に消音されるのがポイントです。

 

「③ 低音マシマシ」のフォーム(6弦と5弦の両方を押える)でも弾ける音列ですが、それだとベース音が残ってしまって少しやかましくなってしまいます。

⑤ 複合動かし

 

最後は3つのコードフォームを一気にいきます。

 

基本形に6弦開放のE音を加えたフォーム

 

基本形に1弦3フレットのGを加えたフォーム

 

前の2つの複合ワザ

 

これら3つのフォームの効果は、とある有名曲で確認できます。

 

 

 

それはデレク・アンド・ドミノス(エリック・クラプトン)の"いとしのレイラ"です。

 

後半のメジャーキーの部分(原曲3:10あたりから)をアレンジした譜例がこちらです。

 

Fコードの部分は5弦をミュートしたり1弦の開放弦を弾いたりしないといけないので、バレーコードのFよりも、6弦1フレットを親指で押えるシェイクハンドグリップのFがベターだと思います。

 

 

 

良く見ると、1,2小節目と3,4小節目はほとんど、ここでご紹介したオープンコードのCのバリエーションを弾いているだけです。

 

それなのに、何とも音楽的な流れではないでしょうか。

 

ちょっとしたことの積み重ねでも、名曲の一部となって人々の記憶に残り続ける・・まさに「たかがC されどC」ですね!

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