
普段アコギ1本でインストを演奏することが多いのですが、そのノウハウを活かしてギター弾き語りの方にアドバイスさせてもらう機会も多くあります。そんな中で浮かび上がってきた、これあったらギター弾き語りのレベルがグンと上がる!という能力をいくつかご紹介したいと思います。
最初に少しだけ免責事項を書かせて下さい・・。
私は歌が決してうまくないため、ステージ上で歌うこともありませんし、歌唱法や歌詞の世界観などについて語れることも何もありません。
一方でギター弾き語りをされている方は、少なくとも自身で歌おうと思える声を持っているということなので、それだけで素晴らしい才能があると思います。
そんな人達のパフォーマンスを、ギターが足を引っ張っているようなことがあれば、こんなにもったいないことはありません!
そこで、ギター専業の人間の目線から何かバックアップできないか?とまとめたのが今回のブログになります。
ギター弾き語りがメインなのに、ギター専業よりもギターが上手い人もざらにいますが・・今回は「何となくコードストロークで伴奏して弾き語りができるけれど、そこから中々発展させることができない」という方をターゲットにしました。
取り組んだり理解したりするのが面倒な項目もあると思いますが、音楽の華である歌を最大限に伝えるために、頭の片隅でだけでも覚えておいて頂けると幸いです。
コード譜にない情報を把握する
まずは、弾き語りではおなじみのコード譜についてです。
ここで言うコード譜とは、歌詞の上に対応するコードネームが付けられたものを差しします(正式名称があるかもですが知りません・・)。
ネット上のコード譜としてはU-FRETや楽器.meがよく検索に引っ掛かるので、お世話になっている人も多いのではないでしょうか。
このコード譜、欲しい情報が簡潔に書かれていて便利なのですが、曲をより深く理解するには自分自身で色々と分析していく必要があります。
最初に押さえておきたいのは、原曲のキーとコード譜のキーおよびカポ位置の関係です。
ギター弾き語りでは原曲のキーそのままではなく、自分が歌いやすいキーに変更することも多いです。
何となくカポの位置を変えて歌いやすいキーを探すこともできますが、原曲とコード譜がどのような状態になっているかを把握しておくことで、根拠を持ったキー変更が可能になります。
例えばコード譜で2カポ、Cメジャーキーと指定されている場合、原曲のキーはCから2カポ分(半音2つ=全音1つ)上がったDメジャーになります。
相対的にはCメジャーで弾いているが、絶対的にはDメジャーの音になっているということですね。
後者の絶対的なキーは、もし誰かと一緒に演奏するとなったときにも、まず伝えるべき情報となってきます。
コード譜は原曲のキーに合わせて作られていることがほとんどですが、ギターで弾きやすいように変更されていたり、思っていたのと違うバージョン(原曲より有名なカバーバージョンなど)のキーに合わせられていることもあります。
なので、実際に曲を聴きながらギターを鳴らして確認しておいた方が無難です。
音がばっちりあっていれば原曲のキー=コード譜のキーですが、もし音が気持ち悪ければキーが違うことになるため、原曲を聴きながら探っていくことになります。
この時、必ずしも曲の最初のコードや最後のコードが、その曲のキーを表している訳ではないことにご注意下さい。
例えば、次のようなコード進行から始まる曲があったとします。
|F G |C |
Fから始まっていますが、これは歌ものでは大体Cメジャーキーの定番コードの進行です。
ただしメロディーによっては、キーFメジャーである可能性も若干残っています。
簡易的な判断方法としては、コード進行の後にその曲のキー(トニック)と予想したコードをジャーンと長く鳴らしてみて下さい。
曲がすんなり終わったように感じるなら、そのコードが曲のキーです。
逆に浮遊感や違和感が残るように感じたら違うので、他の疑わしいコードを試してみる形になります。
曲のキーが把握できたら、次は各コードの長さを確認したい所です。
先程のコード進行の例では
|F G |C |
と書いたので、Fが2拍、Gが2拍、Cが4拍・・となることが何となく分かりましたが、コード譜では歌詞の上に
F G C
と書いてあるだけで、具体的な長さは分かりません。
そんなこと確認しなくても感覚で何とかなるよ!と思われるかもしれませんが、有名曲の弾き語りでも意外と間違って演奏されていることが多いです。
特に、歌のないイントロや間奏、エンディングは適当に解釈して弾かれがちです。
意図して原曲から変更しているならもちろん良いのですが、間違っていることに気付かないままだと良くありません。
聴いている側にも、何となくそのカッコ悪さが伝わるものですし・・。
歌のある部分でも、1拍ずつコードが変わったり、シンコペーションしている部分は要注意です。
例えば1小節の中にコードが2つあるから、1つのコードを2拍ずつ弾けば良い・・と思いきや、実は1.5拍+2.5拍の組み合わせだった!とうことがあります。
これらはコード譜から読み取れないことが多いため、原曲を聴くしかありません。
注意深く聴いて確認し、自分にだけ分かる記法でも良いので、コード譜にメモしておくと安心です。
ここまで確認作業ばかりでしたが、そろそろ実際に弾き語りをしていきたいですね。
その時に問題になってくるのが、右手でどうやって弾くか?という部分です。
ギター弾き語りは押えづらいコードを弾きこなすのが難しいと思われがちですが、これは押え方の答えが分かっているので最悪練習すれば何とかなります。
一方で右手のパターンはコード譜に書かれていないことが多く、楽曲に合ったものを自分で考えなければなりません。
この「楽曲に合った」というのが意外と難しく、原曲の特徴をしっかりと掴んでいないと歌の足を引っ張ってしまう可能性があります。
例えば、スイングのフィール(ハネた感じ)を持った曲なのにそれに気づかず、ギターがイーブン(均一な感じ)で伴奏してしまうと、歌とギターが引っ張り合ってめちゃくちゃになってしまいます。
他にも、ハーフタイムシャッフルの曲は一聴しただけでは分かりづらいので要注意です。
シンプルな伴奏であっても空ピックやブラッシングで演奏者のノリが浮き出てくるので、ここでもやはり原曲をしっかりと確認することが重要になってきます。
原曲の感じは分かったけど、実際にどうやって弾いたら良いか分からないときは、動画を探してみると良いかもしれません。
有名な曲であればギター弾き語りのカバーもたくさんアップされているので、その中でノリが良いと感じ、かつ自分にできそうな右手のパターンを拝借すれば良いですね。
カバー動画が見つからない場合は、同じジャンルの曲や似た曲を探して流用することもできます。
さて、「ギター弾き語りのレベルアップに必要なスキル」と冠して書いてきましたが、コード譜に関することだけで結構な分量になってきました・・。
この辺りで一旦区切って、コード譜の続きのトピックから次回また書いていきたいと思います。
計画性がなくすみませんが、引き続きチェックをお願いします!