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「若者がギターソロ飛ばす問題」の問題点

先日、「最近の若者は曲の途中を飛ばして聴く!」みたいなニュースを見ました。当初はショックを受けましたが、徐々この話題の闇深さを感じてきました・・。

「若者がギターソロ飛ばす問題」は、もともとTwitterのつぶやきから始まってトレンドとなり、ネットやテレビで取り上げられるようになったようです。

 

私が見たのはスマホのヘッドラインに出てくるニュースで、確か若者はB'zの「LOVE PHANTOM」のイントロを飛ばして聴くみたいなタイトルでした(個人的には鳥肌が立つくらい素晴らしいイントロだと思いますが・・)。

 

曲の中に物語があるんだから全体聴かないと駄目とか、わずかな時間を短縮する意味が分からないなどの批判はひとまずここでは置いておいて、ちょっと問題ではないかと感じたことを書いてみたいと思います。

最近の若者は・・思考による思考停止

 

私もこの話題を知ったとき、曲全体で1つの作品なのにもったいないなと思いました。

 

歌のない部分にも様々な役割があるのに、まったく最近の若者は・・!

 

しかしここまで考えたときに、自分が世間から取り残されているような気持ちになりました。

 

下の世代を批判することで考え方が凝り固まって、思考停止しているように感じたためです。

 

 

 

自分だって普段から1曲だけでも集中して聴いているか?

 

なぜ若者は間奏を不要だと感じるのか?

 

時代の流れなのかもしれないが、その変化を緩やかにすることはできないか?

 

問答無用で聴きたくなるようなギターソロが作れないか?(←これはマーティー・フリードマンがツイートしてました)

 

答えは出ずとも、自分を顧みたり出来ることを考えてみるのが大切な気がします。

 

 

 

そういえば、クラシック曲ってただ聴くだけよりも、作曲家のバイオグラフィーとか曲の構成の解説などを見てからの方が楽しめますよね?

 

現代の曲でも、そういったように説明が必要になってきたのかもしれません。

 

変化をつけて飽きさせないためのギターソロなのか、最後のサビに向けて徐々に盛り上げていくためのギターソロなのか、ただギタリストを目立たせたかっただけなのか・・。

 

ただ感じるだけでなく、色々と考えるとより面白くなってくるかもしれません。

うっすら漂うマッチポンプ感

 

この話題の発端となったツイートは意義のある問題提起かもしれませんが、それを取り上げたニュースは若者バッシングをして上の世代から視聴してもらおうという臭いも若干感じられてしまいます。

 

見ているとまるで若者のほとんどがギターソロを飛ばすような印象を受けてしまいますが、実際に若者に聞いたアンケート結果を確認すると、飛ばす人はそれほど多くないようです。

 

以前に比べて飛ばす派の割合が増えているのは事実だと思いますが、視聴率やPV数を狙ったセンセーショナルなニュースの伝え方になっており、何とも言えない怖さを感じます(まあこのブログも乗っかろうとしている部分がありますが・・)。

 

 

 

そもそもテレビで流れている曲って、曲の途中でもガンガン編集されてませんか?

 

バラエティー番組などではトークの邪魔にならないように、曲のギターソロの部分やインスト曲が切り貼りされて流れていることが良くあります。

 

最近びっくりしたのが、アニメのエンディング曲が途中でカットされていることです!

 

 

 

そりゃ昔からフルコーラスが流れることはありませんでしたが、曲の1番(たまに2番)がそのままが流されることがほとんどだったと思います。

 

それが今は国民的アニメのDらえもんやくれよんSんちゃんでも、ガッツリ編集されています。

 

Aメロの繰り返しの部分がなくなったり、サビを短くして急にエンディングに行ったり・・。

 

音楽的にだけでなく、歌詞的にも意味が通るのか心配になってきます。

 

 

 

良い悪いは別にして、曲の編集に慣れさせるような土壌を作っておきつつ、今回のような「若者がギターソロ飛ばす問題」を取り上げるのはマッチポンプ感があると思いませんか?

 

まるでワイドショーのコメンテーターがメディア批判しているような違和感を感じます(テレビで発言してるんだからその人もメディアでは?)。

 

 

 

ちなみに大物アーティストが担当したアニメ名探偵Kナンの曲は、編集されるどころか普通よりかなり長く時間を取って流されていました。

 

このあたり、大人の事情を感じざるを得ません・・。

ギター人口ちょっと減少?

 

コロナ禍による巣ごもりでギターの販売は比較的好調なようですが、今後はどうなるでしょうか??

 

ギターソロ(もしくはそれをひくギターヒーロー)が減って行く傾向なら、刺激を受けて新しくギターを始める人は減るかもしれません。

 

やっぱり強烈なアイコンがあるのとないのでは違いますもんね・・。

 

 

 

でも、世間が思うほどギタリストはギターソロにあまりこだわっていないようにも感じます。

 

歌うために弾く人もいれば、曲を作るために弾く人もいますし、ギタリストといっても千差万別です。

 

クラシックギターとかジャズギターのようなジャンルは別に残るでしょうし、流行曲の一部からギターソロがなくなっても大きな影響はないかもしれません。

 

 

 

それでも、ギターソロ以外にもいくらでも楽しくて役立つことがあると伝えられるように、自分自身も準備していきたいと思っています。

 

もちろんギターソロについても精進しますが・・。

 

もう少し時間が経ったら、ギターソロがある曲が逆にパンクな感じ(?)になっていいかも??

さいごに

 

そういえば私が学生の頃には、ラジオDJがイントロで話すのは邪道だ論みたいなのがありました。

 

でも歌が始まるまでにピッタリと曲紹介するのは、ある意味名人芸でテンションが上がっていた記憶があります。

 

ちょっと今の「若者がギターソロ飛ばす問題」と似ている部分があるかもしれません。

 

音楽を作る側が曲を操作するか、聴く側がそれをするかという違いはありますが・・。

 

 

 

時代ごとに音楽の形が変わってくるのは必然なので、聴き手の気持ちを受け取りつつ自分の頭で色々考えてギターを弾いていけたら良いかなと思っています。

 

まとまりのない話でしたが、今回世間的にギターソロにスポットが当たってちょっとうれしい気もしたことを正直にお伝えして、このブログを終わりにしたいと思います!

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