
ギターを練習しようにも、音が周りの迷惑になっていないか、気が気でない人は多いのではないでしょうか。ギターは他の楽器に比べて場所を選ばずに練習できるので、何とかそのポテンシャルを活かしたい所です。今回はギターの音を小さくして気兼ねなく練習する方法を考えてみたいと思います。
早速ですが、音を小さくする方法を図で整理してみました。
こちらです。

ここで、縦軸に消音効果、横軸に手軽さを取っています。
縦軸は、その名の通りギターの音を小さくする効果なのですが、少し広義に考えています。
というのも、いくら音が小さくなっても、その状態で弾いて練習の効果がなければ意味がないためです。
外に聴こえる音が小さく、かつ普通に弾く時とできるだけ同じ感覚かという点も考慮して「消音効果」としました。
図ではプラス側(上側)に行くほど、消音効果が高くなります。
横軸は、その方法を実践する際の手軽さです。
図ではプラス(右側)に行くほど、掛かる費用と手間が少なくなります。
今回は、音を小さくする方法を4つプロットしています。
消音効果が大きくて手軽な範囲(図の第1象限)の方法があれば良かったのですが、そう簡単にはいかないですね・・。

以降、音を小さくする方法をそれぞれ詳しく見ていくので、良さそうなものがあればぜひ試してみて下さい!
弱音器
最初は弱音器です。

弦に触れて音を小さくする道具ですが、目的が達成できたら手段は何でも良さそうです。
ギタークロスを弦に触れさせても良いし、何なら右手の手刀の部分を弦に触れてミュートしても音は小さくなります。
ジャズ・フージョン系のギタリストとして有名なアル・ディ・メオラは、周りへの音を気にするあまり、トレードマークであるミュートの速弾きを習得したとかそうでないとか・・。
話が反れましたが、今回はおそらく最も有名なこちらの弱音器の使用感をもとにしました。
何故か大抵の楽器屋さんに置いている、謎の女性の写真が印象的な弱音器です。

実際にこの弱音器を装着してギター(アコギ)を弾いてみると、確かに音量はかなり押えられます。
しかし、ピッキングした時の感触は付けない時とかなり違ってきます。
うまく言葉で表せませんが、間違って押弦してない弦を弾いてしまった時のブツッという音を、常に出ている感じでしょうか・・。
長時間この状態で練習していると、ちょっと感覚が狂ってきそうです。
当然ですが音が伸びないので、左手を早目に離してしまうような癖も付くかもしれません・・。
後は細かい所ですが、ブリッジ側に弱音器を付けているので、ブリッジミュートやギャロッピング奏法が出来ません。
あえて弱音器を使ってバンジョーのようなニュアンスを出すとかには使えるかもしれませんが、普段使いするには少し厳しい気がします。
値段は1000円以下で装着も簡単なので、手軽さは文句ないのですが・・。
今回試せていないのですが、サイレントピックも弱音器と同じような位置ではないかと考えています。
手軽ですが、ピックの構造が変わることで、大事なピッキングのニュアンスを変えてしまう(もしくは正しいピッキングを習得できない)恐れがありそうです。
実際に使ってないので、偉そうなことは言えませんが・・。
サウンドホールカバー
続いてはサウンドホールカバーです。

アコギのサウンドホールにはめる、こんな感じのやつですね。

こちらも実際に使用しましたが、思ったよりも音量は下がりませんでした。
ギターによるのかもしれませんが、正直、気持ち音が小さくなったかな・・くらいです。
ただギターの音質的にはあまり変わらず弾けるので、消音効果としては弱音器よりも上にしています。
値段は高くて数千円くらいだと思います。
消音効果も手軽さもまずまずですが、敢えてサウンドホールカバーをする必要があるかと言うと、微妙かもしれません・・。
しかし、サウンドホールカバーには音を小さくする以外の効果があります!
そちらについてはブログ「これだけあった!サウンドホールカバーの効果」にまとめていますので、良かったらご覧下さい。
サイレントギター
次はサイレントギターです。

正直、これが今回の落し所ではないかと考えています。
YAMAHAの本物のサイレントギターではありませんが、私もボディがフレームだけのギター(トラベルギター)を持っています。
生音はかなり小さく、強めに弾いた音を近くで聴かなれば、何の曲を弾いているのか判別できないレベルです。
音はヘッドフォンなどでモニター出来るようになっているので、消音効果としては高得点ですね。
ギターを構えた時のフィット感が違ったり、ボディがないので叩いてパーカッシブな音が出せないなど気になる部分もありますが、大きなマイナス点ではなさそうです。
問題は手軽さで、めちゃくちゃ高価という訳ではありませんが、ギターを1本新しく買わないといけないのでコスパが悪いです。
弦を交換したりセッティングを調整したりと、保守作業も必要になってきますし・・。
その辺りを乗り越えられるなら、検討するのはありだと思います。
音があまり出せない状況ではサイレントギターで練習して、たまに練習スタジオなどで通常のギターを使って本番さながらの練習をする・・そんな運用をすることで、効率良くステップアップすることができるかもしれません。
防音室
最後は防音室です。

これは正直、自宅にないので想像になってしまうのですが・・。
防音されている上にギターも普通に弾けるので、消音効果としては最高ですね。
ただ費用が・・種類や規模にもよると思いますが、いくらくらい掛かるんでしょうか?
そもそも賃貸の場合は設置すらできないかもしれません。
DIYで吸音材を貼るという手もありそうですが、やってみないと吸音の効果が分からないので、若干リスキーな気がします。
丸投げになってしまいますが、興味のある方は調べてみて下さいとしか言えません・・。
もしかしたら、サックスやピアノなど、生音の大きい楽器のプレイヤーの方が、この辺りの事情に詳しいかもしれませんね。
自宅に練習スタジオがあるのはプレイヤーにとって理想的で、何とも夢のある話ではあります。
究極の方法?
ギターの音を小さくする4つの方法を見てきましたが、もう1つ紹介していない解決方法があります。
それは・・ギターの音が聴こえる範囲の人との関係性を作ることです!
アパートの上下左右の部屋の人や一緒に暮らしている家族などは、話を通しておけば少々の音は目をつぶってくれます(変な言い回しですが)。
昨今は変わった人も多いですし、周りに自分の存在を知られたくないことも往々にしてあると思うので、完全な解決方法ではないと思います。
しかし、うるさいと思われてないかな・・と思いながらギターを弾くのもあまり良い気持ちではありません。
ハード面の対策は大事ですが、ソフト面でもできる範囲で気を付けていけたらと、今回のブログを書いていて思った次第です。