
シェイクハンド・グリップは、左手の親指がネックの上から見えるように、ネックを握りこんで押弦する左手のフォームです(親指がネック裏に隠れるのはクラシック・フォーム)。ネックの上に出た親指は押弦にも利用でき、様々な応用が可能です。
基本フォーム
例えば6弦ルートのメジャーコード。クラシックフォームだとセーハして

左手親指の指番号を0とすると、シェイクハンドでは次のように押えます。

マイナーコードならクラシックフォームは

シェイクハンドは

この2つが、もっともよく使われる親指で押弦するコードフォームだと思います。
シェイクハンド・グリップのメリット
シェイクハンド・グリップでの親指での押弦には、様々なメリットがあります。
- 左手の5本の指をすべて使って押えられる
- 低音がペダルトーンとなるフレーズが簡単に弾ける(例えばディープ・パープルの「Burn」のリフ)
- ギターの位置が低くても押えやすい
- ワイルドな雰囲気が出る(主観です。。)
- バレーコードでは弾けない開放弦の音を加えられる(例えば下図)

一方デメリットとしては、次のようなものがあります。
- クラシックフォームのようにストレッチがきかない
- クラシックフォームとの切り替えに時間を要する
- クラシックギターなど、ネックの太いギターで抑えにくい
- ギターの位置が高いと押えづらい
- 上品でない(主観です。。)
意図していないのですが、「クラシック」という言葉が沢山出てきました。
これだけだと、シェイクハンドはロック系、クラシックフォームはクラシック系と分けられそうですが、私がシェイクハンドを意識するようになったきっかけは、カントリーギターの始祖マール・トラヴィスのコードフォームでした。
シェイクハンド・グリップの応用
例えば、マール・トラヴィスは5弦ルートの7thコードを次のように押えます。


これは1弦が6thの音になるので少し注意が必要です。
5弦ルートのマイナーコードはなんと!

このフォームは、手が大きくないと押えることすらできないと思います。
ここまで出てきたシェイクハンド・ブリップの親指押弦コードだけで、沢山の曲が弾けそうです!
さいごに
いかがだったでしょうか?
無理にシェイクハンド・グリップを使う必要は全くないと思いますが、その利点が活かせたり親指を使うことで前後の押さえ方がスムーズになったりする場面がでてくるかもしれません。
このブログで、ギターアレンジの選択肢が少しでも増えたら幸いです。
追記 ('21 10/19)
同じバッキングを、シェイクハンドグリップとバレーコードの両方で弾いた動画を作りました。
実際の押え方の参考にぜひご覧下さい!