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ジョン・コルトレーン「ブルー・トレイン」は最強のジャズ入門盤!

ジャズプレイヤーやジャズファンにはお馴染みの名盤「ブルー・トレイン」。あまり語られることはありませんが、実はジャズ初心者の方でも楽しめる要素がギッシリ詰まった、もの凄いアルバムです。その理由を見ていきましょう!

まず、バンドのメンツが凄いです。

 

特にフロントの3人、テナーサックスのジョン・コルトレーン、トランペットのリー・モーガン、トロンボーンのカーティス・フラーは、各楽器のスタープレイヤーです。

 

気に入ったプレイヤーがいたらその人のリーダーアルバムを聴くなど、楽しさを連鎖させていくことができます。

 

 

 

ここで重要なのが、聴いていて今プレイしているのは誰か?が分かりやすいということです。

 

テナーサックス、トランペット、トロンボーンはそれぞれ個性的な音なので、耳が肥えていないと思う人でも比較的簡単に判別ができます。

 

これと逆なのが、音色が比較的近いアルトサックスとテナーサックスの両方が入っている場合ですね。

 

アドリブソロなどの時、どっちが吹いてるのかな?と考えてしまって、純粋に音楽を聴いていない状態になったりします(それはそれで良いですが)。

 

 

 

さて、いくらスタープレイヤーといっても、全録音で絶好調のプレイを残しているわけではありません。

 

リハーサルの時間が十分取れなかったり、バンドメンバーの音がマッチしなかったり、クスリの問題があったり・・。

 

しかし、「ブルー・トレイン」では全員が良い状態で録音されているのが、聴いていて伝わってきます。

 

なおかつ、曲のアレンジもしっかり練られていて、何回聴いても飽きが来ません。

 

 

 

曲が分かりやすいというのもポイントです。

 

一般的にイメージするジャズの形式(最初に曲のテーマを演奏してから各人がアドリブをとり最後にまたテーマに戻る)では、一定のコード進行のまとまりが繰り返し演奏されます。

 

個人的には、ジャズを聴いているときに今曲のどの部分にいるか?を見失うと、楽しさが半減すると思っています。

 

その点「ブルー・トレイン」は、1曲目のタイトルトラックがシンプルな12小節のブルース形式で安心です。

 

 

 

足でカウントを取りながら、12小節のどの部分にいるかを意識しつつ聴いてみて下さい。

 

ここでこうくるか!と言うふうに、アドリブソロの楽しさが倍増すると思います。

 

もし見失っても、メロディーやバックのコード感、ドラムのフィルインなどで戻ってこれるのでご心配なく!

 

1曲目の「ブルー・トレイン」の他にも、ジャズで多いAABA形式の曲やバラードもあり、全曲取り残されることなく楽しむことができます。

 

たくさんの楽器のソロを聴くことができるのもお得です。

 

前述のテナーサックス、トランペット、トロンボーンに加えて、ピアノ、ウッドベース、ドラムについてもそれぞれソロパートが用意されています。

 

ウッドベースではアルコ奏法(弓でギコギコやるやつ)まで聴くことができるオマケ付き!

 

1枚のアルバムでここまで盛り沢山なのは珍しいのではないでしょうか?

 

 

 

音源を入手しやすいのもある意味大事だと思います。

 

CDショップはもちろん、レンタル屋さんやダウンロードコンテンツ、サブスクでもこのアルバムがないことの方が稀です。

 

 

 

ここまではおすすめの理由でしたが、逆に二の足を踏むかもしれない点も2つ書いておきます。

 

 

1つ目は、ほとんどの曲がコルトレーンのオリジナル曲で、有名なスタンダード曲が入っていないことです。

 

しかし、ジャズ初心者の方はスタンダード曲でも聴いたことがない可能性が高いので、特に問題ではないですね。

 

 

 

2つ目は、ギターが入っていないこと!

 

ギターが入っていない曲を聴かないギタリストは意外と多いです(自分もそうでした・・)。

 

でもこのアルバムを聴いたら、その謎縛りが非常にもったいないことだったと気付かされるはずです。

 

 

 

「ブルー・トレイン」ぜひお試しあれ!

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