前回の【前編】ではピアノにはないギターの特徴を3つご紹介し、ピアニストの方にギターを理解してもらうと共に、ギタリストが自分の楽器を見つめ直すきっかけになるようにしました。今回はさらに、3つのギターの特徴を追記していきたいと思います。
4.ポジション選択の難しさ
説明のために譜面を書いていて、改めて驚いたのがこちらです。
ギターは同じ音程の音を、複数のポジションで出すことができます。
図は、同じEの音が出るポジションを表しています。
丸で囲まれた数字は弾く弦を表しており、①なら1弦ということになります。
左から順に、1弦の開放弦、2弦の5フレット、3弦の9フレット、4弦の14フレット、5弦の19フレットです。
右から2番目は5弦の7フレット上に触れて音を出すナチュラルハーモニクス、右端は6弦の5フレット上に触れる同じくナチュラルハーモニクスで、これも同じ音程になります。
何と、同じ音程を7つのポジションで出すことができるんです!
実は同じ音程のポジションはまだありますが、比較的実用的なものだけ挙げました。
とにかく沢山あるということを、感じてもらえればOKです。
同じ音程でもどのポジションで弾くかで、音色が変わってきます。
ということは、自分で状況にあった最適なポジションを選べるということですね。
ポジションによって運指が変わってくるので、弾きやすさを重視するという選択肢も取れます。
他にも、違うポジションの同じ音程をぶつけるような、トリッキーなフレーズが弾けたりといったメリットがあります。
逆にどのポジションで弾くべきかを自分で判断しなければならないので、慣れないうちはそれがデメリットになってきます。
また、五線譜に書かれた音が様々なポジションで弾けるので、楽譜を読むのが難しくもなります。
この辺りは、ギタリストがTAB譜を好んで使う理由にもなっていると思われます。
5.移動ド的思考
次の2つのコードを考えます。
ピアノでこれを順番に弾こうとすると、指使いが変わって大変です。
一方ギターだと、Bmを押えた指を1フレット上にずらすだけで弾けてしまいます。
1つのコードフォームやフレーズを覚えたら、他のキーに素早く応用が可能ということですね。
この特徴を活かせば、絶対音感がなかったり音感がそれほど良くなくても、思ったような音を出すことができます。
少し細かく書くと、音を移動ド的に捉えることでフレーズの運指を把握し、それを正しいポジション(キー)で弾くという操作で、ギターが弾けるということです。
ピアニストが子供の頃から音楽教育を受けていることが多いのに比べて、ギタリストがギターを始めるのが遅いことが多いのは、この辺も関係しているのかもしれません。
6.#系キーの多用
ギタリストが作った曲は、調号に#がつくことが多いです。
セッションでも、E(#が4つ)とかA(#が3つ)のブルースをやることが良くあります。
一方で、調号に♭がつく曲はあまりやりません(ジャズでは多いですが)。
その最大の原因は、♭系のキーだと開放弦が使えなくなるためです。
図は、調号が増えた時に、何弦の開放弦が使えなくなるか(臨時記号のつく音になるか)を示したものです。
#系だと、#が3つついたAメジャー/F#マイナーでようやく3弦開放(G音)が使えなくなります。
#が4つのEメジャー/C#マイナーだとさらに4弦開放(D音)がという感じです。
ただ使えなくなった3弦と4弦がブルーノートになっていたりするので、実はまだまだ弾きやすいキーではある状態です。
一方♭系だと、♭が1つのFメジャー/Dマイナーの時点で2弦開放(B音)が使えなくなります。
右端、♭が4つのA♭メジャー/Fマイナーになると、もはや3弦開放(G音)以外がすべて使えない状態になってしまっています。
開放弦が使えないと押弦する量が増えますし、開放弦を使ったフレーズも弾けなくなります。
他にも、開放弦が不意に鳴ってしまうことを避ける必要も出てきます。
♭系のキーがギター関連の曲で少ないのも、納得ですね。
ギターと違い、ピアノの譜面では♭系のキーが多い印象です。
その理由に関しては思い当たることがあるので、また機会があればブログにまとめたいと思いますが、とにかくギターとピアノでは馴染みのあるキーが違うということです。
ということは、ピアノ経験者がギターを弾くと新たな世界の扉が開くということですね!
図らずも良い感じでまとまったので、今回はここで終わりたいと思います。
このブログの内容を考えて始めてから、私も逆にピアノを触ったりしていますが、超絶難しいですね・・。
キーがCメジャーでなくなると、途端にどう弾いて良いのか分からなくなってしまいます。
ギター的思考の弊害かもしれませんが、違う楽器をやることで何か良い相乗効果が出てくるような気がします。
機会があれば、様々な楽器を触ってみたいですね。



