ギターでは開放弦を有効に使える#系のキー(G D A Eなど)の曲が良く演奏されます。逆に、ピアノ用にアレンジされた曲は♭系のキー(F B♭ E♭ A♭など)が多い印象です。これは何故なのでしょうか?直観的に理解できるように、図で考えてみました。
そもそも、Cメジャーキーから調号(五線譜の最初の#や♭)がつくと何が起こるのでしょうか?
ピアノの場合は白鍵だけでなく、黒鍵を使うことになりますね。
私はほとんどピアノが弾けないので、人から聞いた話になりますが・・黒鍵は白鍵に比べて弾きやすく、音が少し柔らかい傾向があるということです。
それなら黒鍵をたくさん使うキーの方が、演奏しやすくなるはずです。
しかしあまりに調号が多すぎても、今度は譜面を読むのが大変になります。
この辺りが、ピアノ曲に♭系のキーが多いことと関係しているのでしょうか?
ただ、#系のキーも同じように黒鍵を使うことになるので、♭系の方が多い理由が説明できないですね。
そこでひとまず、#と♭がある程度つくキーに対して、どんな音で黒鍵を使うのかをまとめてみました。
♭系メジャーキー
まずはピアノ曲で多い♭系のキーについて、メジャーキーに絞って考えてみます。
次の図をご覧下さい。
調号のつかないCメジャーキーからフラットが4つ付くA♭メジャーキーまでを、縦方向に並べました。
横方向の1から7の数字は、そのキーのダイアトニックの音の度数を表しています。
例えばCメジャーキーであれば、1から7が順にC D E F G A B 、FメジャーキーであればF G A B♭ C D E の音です。
移動ド的に考えると、どのキーも"ドレミファソラシ"という音程になっています。
図の白抜きの♭で表しているのが、調号が付くことによって変化する音=黒鍵を使うことになる音です。
ここでコードについて考えます。
1度の音をルートにしてできるコードは、トニックと呼ばれます。
同じように、4度の音がルートだとサブドミナント、5度の音がルートだとドミナントと呼ばれ、他のコードに比べて曲中で頻繁に使用されます。
では先ほどの図に対して、トニック、サブドミナント、ドミナントのルートとなる度数を強調表示してみます。
♭がついて黒鍵を使用することになる音が、沢山含まれています!
コードのルートは、最も低い音で弾かれることが多いです。
ピアノで最低音を担当することになる指といえば・・左手の小指ですね。
ギターでもそうですが、小指は力が弱いので、他の指と同じように演奏するには訓練が必要です。
その小指が多く担当する音を、白鍵よりも弾きやすい黒鍵にするのが、♭系のキーの特徴となっています。
ピアノは子供の頃から始めることも多いので、弾きやすい♭系のキーが多用されるのも納得がいきます。
もしかしたらピアノ脱落者を出さないための、音楽家たちの目に見えない優しさなのでしょうか・・。
ここまでの話は、ピアノに詳しい方からしたら常識なのかもしれません。
しかし色々と考えていて気付いた瞬間は、何だか推理小説の犯人が分かった時のような、腑に落ちた感覚がありました。
#系メジャーキー
それでは、逆に#系のメジャーキーでは、どの音に黒鍵を使うことになるのでしょうか?
まとめると次のようになりました。
♭系メジャーキーの図と見比べると、対称な形になっているのが面白いです。
もうお気付きかもしれませんが、先程と同様にトニック、サブドミナント、ドミナントのルートを強調表示してみます。
何と黒鍵を使う音が1つもありません!
ということは、♭系のキーよりも弾くのが大変ということですね。
ここまでで、ブログタイトルの疑問は大体解決できました。
♭系マイナーキー
せっかくなのでもう少し突っ込んで、マイナーキーについても同様にまとめてみます。
ただハーモニックマイナーやメロディックマイナーを考えるとややこしくなるので、ナチュラルマイナーに絞りました。
♭系のマイナーキーの黒鍵を使う音はこんな配置です。
♭系のメジャーキーの図から、右に2マス移動した形になります。
でもこれって、主要コードのルートがほとんど黒鍵ではありません。
少し予想外の結果ですね。
#系マイナーキー
最後に#系のマイナーキーも見てみましょう。
こちらは#系のメジャーキーから左に2マス移動した形になっています。
主要コードのルートは、まずまず黒鍵を使う配置になっています。
ということは、マイナーキーに関しては#系を使ったピアノ曲が多いのでしょうか?
私は今の所その印象はないので、これからピアノ曲の譜面を見る時に、また注意してみたいと思います。
以上、ピアノ曲にフラット系のキーが多い理由を、図で考えてみました。



